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製造業におけるマーケティングオートメーション導入事例(Account Engagement編)

更新日:2024/02/27

マーケティングオートメーション(以下、MA)の導入を検討する際、すでにSalesforceをお使いの方はAccount Engagement(旧:Pardot)が最初の検討候補に上がるのではないでしょうか?

今回は、Salesforceのホームページで紹介されている導入事例から、製造業におけるAccount Engagement導入事例を3つご紹介します。

各事例におけるMA導入のポイントをピックアップし、MA導入の参考になるようご紹介していきます。

Account Engagement(旧Pardot)とは

Account Engagement(旧Pardot)とは、セールスフォース社が提供するマーケティングオートメーションツールです。Salesforceのさまざまなツールと連携することができます。

 

下記の図のように、見込み顧客の発掘から受注に至るまでのプロセスのうち、見込み顧客の獲得、育成、選別のプロセスで活用するのがAccount Engagementです。

©セールスフォース・ジャパン

すでに商談・顧客管理にSalesforceを活用している企業であれば、自社の顧客データを各部門で連携して一元管理でき、マーケティングを効率化しやすくなります。

Account Engagement導入のポイント

Account Engagementを導入している企業は、どのようなポイントを評価しているのでしょうか。本章では、マーケティング活動におけるよくある課題と、MAツールの活用でどのように改善していくかをご紹介します。

 

マーケティング活動のよくある課題

マーケティング活動のよくある課題の一つに「営業とマーケティングが十分に連携できていない」という点があります。

営業とマーケティングで、以下のような状態になっている企業は多いかと思います。

①お互いの成果目標を知らない

②コミュニケーションが取れていない

③別々のデータを持っている

Account Engagementの導入に成功している企業は、どのようにこれらの課題を乗り越えているのでしょうか。

 

MAツール導入のポイント:営業とマーケティングで数字を可視化し共有

次章で紹介する、コニカミノルタ、富士通、パイオニアのAccount Engagement導入事例を深掘りしていくと「営業とマーケティングで数字を可視化し共有している」という共通点がありました。

当たり前のように見えて、実践するのは難しいことです。しかし、Account Engagementなどを導入し、データ連携することで各社実現しています。

次章では、具体的な事例についてSalesforceホームページよりポイントを抜粋しご紹介します。

 

製造業におけるAccount Engagement導入事例

1. コニカミノルタ株式会社

コニカミノルタでは2017年頃まで、マーケティングからセールスまでのプロセスをすべて営業が担当し、データも散在しており、マーケティング観点・営業観点で課題が山積みでした。

そこで、SalesforceのAccount Engagementを活用して営業プロセスの改革を実施し、以下のような成果をあげています。

・有効商談件数:258%増

・パイプライン創出金額:348%増

・マーケティング施策のROI:163%

特に成功のポイントとして、KGI・KPIの進捗や、マーケティング活動を数字で可視化し共有したことをあげています。

© KONICA MINOLTA

 

KGI・KPIの進捗や、マーケティング活動を数字で可視化し共有したことで、営業とマーケティングの共通認識ができ、連携を強化できたそうです。

それだけでなく、経営層に効果を理解してもらうことでマーケティングチームの拡大にも繋がっています。

また、担当者が環境整備やサポート体制を充実させ、成功事例を基に少しずつ展開するなど、色々な工夫を凝らしながらマーケティング活動を推進しています。

出典:

営業プロセス改革×マーケティング推進を支える Pardotの全社活用と事業部活用の取り組み

 

2. パイオニア株式会社

パイオニアのデータソリューション事業を行うモビリディサービスカンパニーでは、2019年にMAツールを導入しました。

しかし、2021年頃まではMAツールの活用はなかなか進んでいませんでした。

その原因として、MAツールがSalesforce以外のものであったため、SalesforceとMAの連携がスムーズにいっていなかったことをあげています。

これらの問題を解決するため、2021年10月にはMAツールをAccount Engagementへと移行し、Salesforceとのシームレスな連携を実現しました。

Account Engagement導入の結果、2021年から2022年にかけて以下の成果をあげています。

  • リード数:269%
  • アポイント数:160%
  • 新規顧客導入検討台数:213%
  • 新規顧客受注台数:852%

特に成功のポイントとして、営業とマーケティングでKGI/KPIの共有を行うために可視化したことをあげています。

Salesforceのダッシュボード機能を活用し、ダッシュボードの上部に各チームのKGI/KPIがメーターの形で一覧表示されるように工夫しています。

出典:

パイオニア型のThe Modelでサービスビジネスの大幅成長を実現 データにもとづく販売モデルで「モノ✕コト」の価値を提供

 

3. 富士通株式会社

富士通では、2021年のAccount Engagement導入以前は別のMAツールを活用していました。

しかし、営業とマーケティングの連携を強化するために、SalesforceとMAツールを連携すべきと考え、Account Engagementの導入を決めました。

マーケティングの活動内容をマーケティング部門の中だけでクローズするのではなく、そこで見つけ出したリードを一気通貫で営業に渡し、売上に貢献することが重要だと考えたのです。

特に、MA導入のポイントとして、グローバル共通のKPIを設定し、マーケティングと営業が同じ物差しで見込み顧客を評価できる点をあげています。

全世界への導入と運用の整備を進めている最中ですが、以前は1か月程度の時間がかかっていた各国の売上見込/実績の収集をほぼリアルタイムで確認できるようになりました。

その結果、売上予測精度も大幅に向上し、将来的にはAIによる予測を活用し、再現性のある成功パターンの確立まで実現したいと考えているようです。

出典:

「OneCRM」でパイプラインのグローバル標準化と顧客接点強化へ

つながる営業・マーケティング〜富士通株式会社 新規事業「Fujitsu Uvance」グローバル B to Bマーケティング変革における取り組み

 

まとめ

各社Account Engagementを活用してデータを一元管理し、営業とマーケティングで数字を可視化し共有することで、連携を実現し成果をあげています。

一方で、マーケティングオートメーションの導入から運用まですべてを自社リソースだけで行うのは非常に困難です。

ある調査では79%の方がMAの導入には専門家の意見が必要と回答しています。

また別の調査では、83.6%の企業がマーケティングを外部の専門家に委託しているというデータもあります。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000015060.html

 

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