最大の成果を出すために社員が集中すべき仕事とは

「本来、うちのマーケティング部の社員がすべき事っていったい何でしょうか。」
-先日、とある社長がおっしゃった一言です。
当然のことではありますが、ほぼすべての企業において、社員には役割とミッションがあり、職務権限の中でその達成に向けて活動をしています。
こちらの会社のマーケティング部は、販売の状況などを分析し、次の打ち手を決めて行く役割ではあったのですが、日々、顧客の声の収集作業や、その集計、分析レポート作りのために時間を費やしていて、肝心な「ではどうすべきか」という対策を考えるに至れていないという状況に悩まれていました。
当社は、こういった本来すべき事は何なのかというお悩みを頂いた時、まず、目的達成のためのコア業務とノンコア業務は何かという問いかけをします。
コア業務とは、自社の社員にしか出来ない仕事で、かつ売上に直接関わるような影響力をもつ業務。ノンコア業務はそれ以外の業務と定義づけをしています。
部署や役職により、その割り振りは様々になってきますし、状況によっては同じ業務内容でも、どちらとも言えてしまうものがたくさんある事は事実です。
しかし、どのような立場役割においても、基本的にコア業務から外れない事があります。
それは、方針や次のアクションを考える事、そしてそれを決定する事です。
アクション自体はアウトソーシングするという考えを持つ企業もありますが、方向性を決める事をアウトソーシングは出来ません。
方向性の決定だけは、必ず自社にて実施されるコア業務となるのです。
さて、この原則にあてはめてみた場合、こちらの会社のマーケティング部では「次の打ち手」を決める事がコア業務になります。
決して、顧客の声を拾い上げたり、情報収集したり、集計分析をすることはコア業務になるわけではありません。重要な事なのですが、ノンコア業務という位置づけとなります。
おそらく、このことは頭では分かっているのですが、なぜか集計や分析に時間を費やしてしまい、方針を出す所まではいかない状況に陥っておられました。
さらに、急ぎの仕事が入ってきた時に、これらの集計分析業務は頭ではコア業務では無いと分かっているため、後回しになってしまって、さらに打ち手を出すのが遅れてしまうという悪循環にもなるのです。
本題に戻りますが、こういった悩みを抱える企業は意外に多いのではないでしょうか。
打ち手を出すにあたって、
「判断基準を持つために、このデータを集めなければならない」
「毎月このデータを貯めているから、今月もそのデータを取らなければならない」
という強迫観念に縛られてしまい、いつの間にか、こういったノンコア業務が〈しなければならない業務〉として定着してしまうから不思議です。
こういった時に、本来マーケティング部がすべきコア業務に集中して頂くために、当社が顧客満足アンケートの集計・分析・レポ―ティングを実施し、その内容を判断基準の一つとして採用して、打ち手を決定していくフローに変更をする提案をしました。
当社は作業代行の会社ではありませんが、本来取り組むべき業務に集中して頂くために、可能な限りのサポートは実施させて頂きます。
今回の結果としては、提案を出させて頂いた通り、アンケートの作成や集計、分析、さらには会社のフォームに合わせたレポート作成をすることとなり、マーケティング部が具体的な施策を出していくという目的が達成されました。
限りある人材と時間を、最も効果的に活かそうと考えた場合、必ず「それは自分たちでしなければならない事なのか」という問いかけが必要なのかもしれません。
自社では、コア業務に集中する環境が整えられていますか。
自社の社員にしか出来ない事に、人材リソースをあてられていますか。